MEMS事業
実績

国内医療分析ベンチャー企業向け 蛋白質解析チップ製作、供給

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2010年~現在

 MEMS技術の応用として、ガラス基板にマイクロスケールの流路を形成して作る「マイクロ化学チップ」が開発されています。
 マイクロ化学チップは、スマートフォンやパソコンの演算処理などに使われている集積回路の発想と同じです。集積回路には電気信号の演算処理を行うためのトランジスタ、抵抗、コンデンサ等がシリコン基板上に微細加工で集積されています。マイクロ化学チップでは、フラスコのような反応容器の代わりに、髪の毛のように細いマイクロスケールの流路に溶液を流して反応させます。集積回路と同じように「化学反応の回路」を集積したものがマイクロ化学チップです。


 すでにマイクロ化学チップに集積できるアイテムとして反応器、ポンプ、バルブ等もMEMS技術を用いて開発されています。マイクロ化学チップのメリットは、化学反応をさせる溶液の量が少なくなるという経済的な面があります。また、小さくすることで集積回路と同じように「速く」「扱いやすく」なります。
 2010年にマイクロ化学チップの一つである、蛋白質解析チップの開発でベンチャー企業から引き合いをいただきました。そのベンチャー企業の創業者の方は、大手企業の研究開発部門で幅広い製品開発を行われていた方でした。過去に当社をご利用いただいたご縁で連絡をいただきました。解析チップには、特殊樹脂シートを真空装置内の放電で加工するドライエッチングで微細加工されていましたが、加工時間が長く量産化への課題となっていました。


 そこで当社では、同等の特性を有する液剤の特殊樹脂をシリコンウエハに均一に塗布・硬化した後、MEMS加工の露光・現像で微細加工を行い、特殊薬品に浸漬してウエハから樹脂シートをきれいに剥離するオリジナル技術を開発しました。


 真空装置を一切使用せず、かつ露光・現像、剥離で用いる消耗部材も安価であるため、大幅に製品コストを低減して量産化に貢献することができました。
 その後、解析チップの品種・品番展開や新商品開発にも当社が受託加工や技術開発を継続させていだいています。
MEMS受託加工のことなら、まずはお気軽にお問合せください。